記事6:農地転用にかかる期間は?申請から許可までのスケジュール

「農地転用の許可、どれくらいで下りるの?」

これは多くの人が気になるポイントです。

急いで家を建てたい、早く工事を始めたいと思っても、許可が下りるまでは原則として建築工事には着手できません。

ここでは、申請から許可までの一般的な期間を解説します。

標準的な期間:2〜3ヶ月

申請が受理されてから許可まで、農地法単体の審査期間としては2〜3ヶ月が一般的です。

ただし、これはあくまで目安です。開発許可やインフラ協議(排水・道路など)を伴う場合は、3〜6ヶ月以上かかることもあります。

期間の内訳

1. 申請受付まで(数日〜2週間)

  • 必要書類を揃える
  • 申請書を作成する
  • 農業委員会に提出

農業委員会には申請の締切日があります(月1回程度、締切日は自治体によって異なります)。

締切を過ぎると次の月まで待つことになります。

2. 農業委員会の審査(2〜4週間)

  • 現地調査
  • 書類審査
  • 農業委員会の総会で審議
  • 意見書の作成

農業委員会の総会は月1回開催されることが多いため、タイミングによっては時間がかかります。

3. 都道府県の審査(4〜6週間)

※農地法4条・5条で4ヘクタール以下の場合

  • 都道府県の担当部署で審査
  • 必要に応じて現地確認
  • 許可・不許可の決定
  • 通知書の発行

都道府県によって審査期間は異なります。

4ヘクタール超の大規模転用の場合

4ヘクタールを超える大規模転用は国(地方農政局)との協議・許可となり、さらに1〜3ヶ月程度延びることがあります。

4. 許可書の交付(数日)

農業委員会経由で許可書が届きます。

期間が長くなるケース

以下の場合は、標準より時間がかかります。

書類不備がある 補正や追加書類の提出が必要になり、次の審査まで持ち越しになります。

現地調査で問題が見つかる 計画の見直しや追加説明が必要になります。

農振除外が必要 青地の場合、農振除外に半年〜2年程度かかることがあります(自治体の受付回数によって異なります)。

大規模な転用(4ヘクタール超) 国(地方農政局)との協議・許可が必要で、さらに1〜3ヶ月程度時間がかかります。

関係法令の手続きが必要な場合 都市計画法の開発許可や排水同意、道路占用などの手続きが絡む場合は、農地法の審査期間とは別に時間が必要です。

年度末や繁忙期 農業委員会や都道府県の業務が集中し、審査が遅れることがあります。

スケジュールの組み方

工事開始予定日から逆算してスケジュールを組みましょう。

例:10月に工事を始めたい場合

  • 10月:工事開始(許可後)
  • 9月:許可取得
  • 7月:申請
  • 6月:書類準備、事前相談
  • 5月:計画立案、農地の確認

最低でも4〜5ヶ月前から動き始めるのが安全です。

※開発許可や造成工事を伴う場合は、さらに前倒しで準備が必要です。

市街化区域内は農地法の手続きが早い

市街化区域内の農地は「許可」ではなく「届出」で済むため、農地法上の手続き自体は1〜2週間程度で完了します。

ただし、建築確認や開発許可は別途必要なため、実際の着工時期はそれより後になります。

また、建築可能かどうかは接道・用途地域など別の規制でも判断されます。

市街化区域かどうかは都市計画で決まっているため、事前確認が必要です。

まとめ

✅ 農地法単体の審査期間:申請受理から2〜3ヶ月が一般的
✅ 開発許可等を伴う場合:3〜6ヶ月以上かかることも
✅ 農振除外が必要な場合:半年〜2年程度(自治体によって異なる)
✅ 4ヘクタール超の場合:国(地方農政局)との協議・許可でさらに1〜3ヶ月程度延びることがある
✅ 市街化区域内の届出:農地法の手続きは1〜2週間程度(建築確認等は別途必要)
✅ 建築可能かどうかは接道・用途地域など別の規制でも判断される

農地転用は時間がかかります。余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

次回は「農地転用の費用はいくら?手数料と専門家報酬の相場」を解説します。