記事15:農振除外とは?青地を白地にする手続きと期間・要件を解説

「農地転用したいのに、青地だから無理と言われた」 「農振除外って何?どうすればいいの?」

農地転用を考えたとき、最初の壁になるのが「青地」の問題です。

青地かどうかで、その後のスケジュールが1年以上変わることもあります。

早めに確認し、早めに動くことが重要です。

農振除外とは?

農振除外とは、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)第13条に基づき、農用地区域(青地)から除外する手続きです。

簡単に言えば、青地を白地に変更する手続きです。

青地のままでは、原則として農地転用は認められません。

転用を考えている農地が青地の場合、農地転用の申請前に農振除外の手続きが必要です。

青地とは?

青地(農用地区域内農地)とは、農業振興地域整備計画において「農用地区域」に指定された農地です。

  • 農業上の利用を確保すべき土地として保護されている
  • 原則として転用不可
  • 農振除外を経なければ転用申請できない

自分の農地が青地かどうかは、市町村の農政担当課で確認できます。

農振除外の5要件

農振法第13条第2項では、農振除外が認められるためには次の5つの要件をすべて満たす必要があります。

これは総合判断ではなく、全要件の充足が求められます。

1. 代替すべき土地がないこと その農地でなければならない理由がある

2. 周辺農地の効率的利用に支障がないこと 周辺農家の農業活動に悪影響を与えない

3. 農業振興地域整備計画に支障がないこと 地域の農業振興計画に反しない

4. 農地の利用集積に支障がないこと 農地の集約化・効率化の妨げにならない

5. 土地改良施設の機能に支障がないこと 用水路・排水路などの農業用施設に影響しない

この5要件は非常に厳しく、一つでも満たせなければ除外は認められません。

「農振除外すれば必ず転用できる」という考えは危険です。

認められないケースも多いことを覚悟しておく必要があります。

農振除外の手続きの流れと期間

ステップ1:市町村の農政担当課に事前相談

  • 農振除外が可能かどうかを確認
  • 必要書類を確認
  • 受付時期を確認(重要)

ステップ2:申請書類の準備 主な書類:

  • 農振除外申請書
  • 位置図・公図
  • 土地の登記事項証明書
  • 転用計画書
  • 除外が必要な理由書
  • その他、自治体が指定する書類

ステップ3:市町村に申請 受付時期に合わせて申請します。

ステップ4:市町村の審査・都道府県との協議 市町村は都道府県と協議のうえ判断します。

ステップ5:農業振興地域整備計画の変更 除外が認められれば、整備計画が変更されます。

ステップ6:農地転用の申請へ 農振除外完了後、農地転用の申請ができます。

農振除外の受付時期に注意

農振除外は、いつでも申請できるわけではありません。

多くの自治体では年1回〜数回しか受付を行っていません。

受付時期を逃すと、次の受付まで半年〜1年待つことになります。

※自治体ごとにスケジュールは大きく異なります。必ず事前に市町村の農政担当課に確認してください。

農振除外にかかる期間

農振除外は時間がかかる手続きです。

標準的な期間

  • 申請から完了まで:半年〜1年以上

農地転用と合わせた全体の期間

  • 農振除外:半年〜1年以上
  • 農地転用の申請・許可:2〜3ヶ月
  • 合計:1年〜1年半以上

「来年の春には工事を始めたい」と思っているなら、今すぐ動き始める必要があります。

早めの相談が重要です。

例外的に農振除外が検討対象になるケース

5要件を満たせば、以下のようなケースで農振除外が検討対象になることがあります。

ただし、いずれも「認められやすい」わけではなく、厳格な審査があります。

比較的検討対象になりやすいケース

  • 既存集落に隣接する自己用住宅(やむを得ない理由が必要)
  • 農業用施設(農産物の加工施設・農機具の保管庫など)
  • 公共的な施設

除外が認められにくいケース

  • 商業施設や工場
  • 投資目的の開発
  • 代替地が明らかにある場合

自治体ごとに判断基準が異なるため、まず農政担当課に相談しましょう。

農振除外と農地転用の関係

農振除外と農地転用は、別々の手続きです。

よく混同されますが:

  • 農振除外:青地を白地にする手続き(農振法)
  • 農地転用:農地を農地以外に変える手続き(農地法)

農振除外が完了して白地になって初めて、農地転用の申請ができます。

正しい順序 農振除外 → 農地転用の申請 → 許可 → 転用工事

費用について

農振除外の手続きには費用がかかります。

申請手数料 自治体によって異なります。事前に農政担当課で確認してください。

専門家報酬 農振除外の手続きは複雑なため、行政書士に依頼するケースが多いです。

費用は案件の難易度・農地の面積・自治体によって大きく異なります。

具体的な費用は、専門家に見積もりを依頼してください。

まとめ

農振除外のポイント:

✅ 農振除外は農振法第13条に基づく手続き
✅ 青地のままでは原則として農地転用は認められない
✅ 5要件をすべて充足する必要がある(総合判断ではなく全要件充足)
✅ 市町村は都道府県と協議のうえ判断する
✅ 受付は年1回〜数回(自治体によって異なる)
✅ 申請から完了まで半年〜1年以上かかる
✅ 農振除外と農地転用は別々の手続き
✅ 合計で1年〜1年半以上を見込む必要がある

青地の農地を転用したいなら、まず市町村の農政担当課に相談しましょう。

次回は「農地転用の現地調査、何を見られる?準備すべきこと」を解説します。